第30章 ペットを買う

冴島心菜は、荻原和夏が自分の要求をあっさり拒んだのを見て、胸の奥で確信を深めた。冴島羽美の言っていた通りだ。こいつは言うことを聞かない、どうしようもないクズ――。

「ほかにご用件はありますか? ないなら、こちらも勤務時間が終わりますので」

荻原和夏は冴島心菜みたいな女と関わりたくなくて、うんざりした手つきで追い払うように振った。さっさと上がるつもりだった。

「その口の利き方、何? 客がまだいるのに、もう帰ろうとしてるの?」

冴島心菜は声を数段高くした。その甲高い声に、丸一日疲れてうとうとしていた動物たちがびくりと目を覚ます。檻の中から、抗議みたいにバンバンと叩く音が立ち、わんわん、き...

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