第34章 脅威

荻原和夏は冴島零と連れ立って、食事のためにレストランへ入った。

零が「ここ、味がいい」と言うものだから、和夏は店の看板料理をいくつか頼む。

料理を待つあいだ、零のスマートフォンがぶる、と震えた。画面を見た瞬間、彼は眉根を寄せる。母からの着信だ。

「ちょっとトイレ。すぐ戻る」

零は和夏に軽く笑ってみせると、そのまま洗面室へ向かった。

洗面室に入ってすぐ通話ボタンを押した、その瞬間だった。

受話口の向こうから、冴島羽美の怒鳴り声が叩きつけられる。

「冴島零、あなた何を考えてるの!? 妹を助けるどころか、よその女を庇うなんて! 心菜がね、排泄物まみれで帰ってきたとき、どれだけ絶望した...

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