第41章 ときめき

荻原和夏は、母の事故当時を思い返していた。あのときのことは、今でもはっきり覚えている。母の車は、修理工場から戻ってきたばかりだった。

工場の話では、点検と整備を一通り済ませ、異常がないことを確認してから葉山莉子へ引き渡したという。

それなのに――葉山莉子の車は事故を起こした。

警察も調べたが、ブレーキ痕や車体の損傷、整備記録に至るまで、不自然な点は見つからなかった。結局、監視カメラの映像から「運転中に眠気があったように見える」ことだけが根拠になり、疲労運転として処理された。

「母は運転、すごく慎重な人だったの。眠いなら、必ず路肩に寄せて休む。いつも言ってた……命は大事だって。だから、...

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