第53章 負傷

加藤大和の手下が三人、必死にうなずいた。

「ご安心ください。すぐ警察に突き出します!」

三人とも空気が読める。さっき加藤大和の口を塞いだ――その一点だけで、あの男が自分たちを許すはずがないと分かっているからだ。

だが、加藤大和の行き先はこれから牢獄。三人の身に危険が及ぶことはない。

男たちは加藤大和を路地の外へ引きずり出し、そのまま警察署へ向かった。

路地に静けさが戻る。

冴島零はふっと振り返り、荻原和夏を見た。

「ボディーガードを付けたはずだろ。クリスはどこにいる?」

和夏はばつが悪そうに頭をかき、視線を落とす。

「どこへ行くにもボディーガードが付いてくるの、あんまり好き...

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