第54章 浴室の曖昧さ

荻原和夏は俯いたまま、冴島零が身につけているパンツを見つめていた。股間の真ん中が、こんもりと盛り上がっている。

前は気づかなかったけど……この人、こんなに大きかったんだ。

頬がじわりと熱くなる。視線だけが股間に吸い寄せられ、思考がふっと途切れた。

「俺の風呂、手伝うんじゃなかったのか。なんで固まってる」

冴島零の声に、荻原和夏ははっと我に返る。

顔を上げると、冴島零がからかうような目でこちらを見ていた。荻原和夏は羞恥と苛立ちを混ぜた視線で、ぎろりと睨み返す。

「……あんたが私の仕事を増やすからでしょ。いつも疲れてるの。だから、ぼーっとしただけ」

苦し紛れの言い訳を投げ、荻原和夏...

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