第62章 嫌いな子供

荻原和夏は、草むらに倒れた哀れな犬を見つけるなり、息を呑んで駆け寄った。

「……ひどい。こんなの、残酷すぎる。いったい誰が……!」

しゃがみ込み、傷口を確かめる。

尖ったものが刺さった位置――嫌な予感がした。内臓まで貫いている可能性が高い。このままでは、そう長くもたない。

「病院に連れていかないと……!」

抱き上げようとした、その瞬間。

「危ない!」

クリスの叫びと同時に、身体が強引に押しのけられた。

次の刹那、シュッ――と空を裂く音。鋭い矢が、犬のすぐ近くの芝生へ突き刺さる。矢羽が、ぶるぶると震えていた。

遅れて駆けつけたヘンリーとヴァイルが、その光景に青ざめる。

クリ...

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