第68章 準備はいいか?

荻原和夏は腰にエプロンを結び、料理を載せた皿を食卓へ運んだ。

「早く食べてみて。私の腕前、どう?」

期待に満ちた顔で、荻原和夏が冴島零を見上げる。

冴島零はピザを一切れ手に取り、鼻先へ寄せて香りを確かめた。ベーコンの焦げた香ばしさに、とろけたチーズの濃厚な匂いが重なる。

「うん、いい匂いだ。いただく」

ひと口かじる。ふわっとした生地に、チーズの塩気とコク。そこへベーコンとハムの肉の旨みが弾け、噛むほど唾液が勢いよく湧いてくる。

「やばい……最高だ。こんなの、今まで食べたピザでいちばんうまい」

冴島零はあっという間に一切れを口へ放り込み、間髪入れずに二切れ目へ手を伸ばした。

も...

ログインして続きを読む