第69章 特別なイベント

翌朝、アラームが鳴り響き、冴島零が目を開けたとき――荻原和夏はまだベッドの上で眠っていた。

昨夜の、あの無茶なほどの熱を思い出して。

零の口元がふっと緩む。

起き上がる気配に気づいたのか、和夏が薄く瞼を持ち上げた。眠気に濡れた眼差しで、零を見上げる。

「……身体、バラバラになりそう」

甘えるみたいな声だった。

零は堪えきれず、そっと唇にキスを落とす。

「そんなに疲れてるなら、今日は休め。……あとでジョージに、美容院の会員カードを届けさせる。今日はゆっくりして」

やわらかい声。

それは彼が、他人に向けたことのない温度だった。

和夏は鼻で小さく「ん……」と鳴らし、こくりと頷く...

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