第84章 殺そうとした

チャーチルさんの詫びは、あまりにも太っ腹だった。いまの金相場で換算すれば、三人それぞれが少なくとも1000万は手にできる。

「神さま……これ、俺の半生の貯金に匹敵するぞ……!」

野口友樹は呆然と、箱いっぱいの金塊を見つめた。金に執着するタイプではない。けれど、目の前でぎらりと光る本物を前にすると、さすがに呼吸が浅くなる。

荻原和夏も、その出しっぷりには驚かされた。とはいえ、ついさっき2000万を受け取ったばかりだ。金塊程度で腰を抜かすほどでもない。

ただ――和夏が引っかかったのは、浅野海平の反応だった。彼は金塊を一瞥しただけで、すぐ視線を引っ込めたのだ。

(浅野先生って、お金に興味...

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