第98章 守ってくれてありがとう

荻原和夏は、自分が殺し屋に狙われるかもしれないと知った瞬間、真っ先に思った。

――家族を人質にされる。

真っ先に浮かんだのは弟の顔だった。荻原相馬。

彼はいま、病院にいる。

和夏は震える指で病院へ電話をかけた。

コールは二度。すぐに繋がり、聞き覚えのない男の声がした。

「荻原和夏さんですか?」

心臓を大きな手で握り潰されたみたいに息が詰まる。和夏は声を震わせた。

「……弟に何をしたの。相馬は……生きてるの?」

男は、落ち着いた声で言った。

「荻原さん、誤解です。弟さんに代わります。ご本人からお話しします」

すぐに、聞き慣れた声が耳に飛び込んできた。

「姉ちゃん。さ...

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