第103章

 セレステは、まだ熱を帯びたボウルを素早く掴み取ると、ベッドサイドのテーブルへと危なげなく置いた。

 指先は一瞬で真っ赤に腫れ上がったが、彼女はその指を自身の冷たい耳たぶに素早く押し当てただけだった。

 そして振り返り、驚きに目を見張るルシアンと視線を交わすと、慌てて彼を宥めるような笑みを繕った。

「大丈夫。スープはもうほとんど残ってなかったし、少し熱かっただけだから。平気よ」

 ちょうどその時、マーサが冷水の入った洗面器を抱えて小走りで戻ってきた。

 セレステはすぐに冷たいタオルを固く絞り、ルシアンの赤く腫れた手の甲にそっと被せると、熱を冷ますように優しく拭う。

 そして、マー...

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