第108章

 彼女はその場で膝から崩れ落ち、濡れたバスルームのタイルにひざまずいた。身体のバランスを完全に失い、そのまま前のめりに倒れ込む。小さな顔が勢いよく、ルシアンの脚のつけ根にぶつかった。

「っ……」

 ルシアンが鋭く息を呑み、彼女の肩をぐいと押しやる。

「頭おかしいのか?」

 セレステは完全に取り乱していた。あわあわと両手を伸ばし、ルシアンのスウェットパンツに手をかける。

「ご、ごめんなさい! わざとじゃないの! 痛かったでしょう? ちょっと見せて!」

 セレステの指先が、ゴムのウエストにかすかに触れた、その瞬間。

 ルシアンの手がぐい、と彼女の手首をつかんだ。

「なにしてやがる...

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