第111章

 一瞬、顔を上げたセレステは、自分の足で階段を降りてきていた。

「奥様! どうして下りていらしたんですか」

 マーサは飛び上がらんばかりに驚き、とっさに制しようとする。

 だがセレステの視線は、すでにリビングのソファに優雅に腰掛けているイザベラを捉えていた。

 ぱっと瞳が輝き、顔中にぱあっと花が咲くような笑みが広がる。

 スカートの裾をつまんで小走りに駆け寄ると、イザベラの足もとにしゃがみ込み、その手をぎゅっとつかんで、興奮したように顔を上げた。

「ママ! どうして来てくれたの? わ、私ね、ママに会いたくてたまらなかったの! ずっと、ママとパパのところに帰りたいって思ってたのに、...

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