第125章

 夢の光景はあまりにも生々しく、セレステは本当に自分がエミリーに対して取り返しのつかない罪を犯したのではないかと、疑わずにはいられなかった。

 ふいに、低く沈んだ男の声が耳を打った。

「悪い夢でも見たのか」

 セレステは弾かれたように振り返る。

 明かりの消えた室内に、おぼろげな月明かりが差し込んでいる。ベッド脇のシングルソファに、ひとつの人影が腰を下ろしていた。

 ルシアンだった。

 いったいいつからそこにいたのか。闇に溶け込むようなそのシルエットの中で、指先に挟まれたタバコの赤い火だけが明滅し、強張った彼の横顔を断続的に浮かび上がらせている。

「あなた……」

 掠れた声で...

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