第13章

 セレステは、重い瞼をゆっくりと開けた。

 ぼやけた視界の先に、ドアのところに立ついくつかの人影が見える。

 逆光になって顔はよく見えないが、真ん中に立つ背の高いシルエットには見覚えがあった。

 ルシアンだ。

 彼が来た。

 やっと、来てくれた。

 セレステの心の奥底に、自分でも嫌悪を覚えるほどの、ひどく哀れな安堵感が芽生えた。

 少なくとも……自分がここに閉じ込められていることを、彼はまだ覚えていてくれたのだ。

 だが次の瞬間、ルシアンの嘲笑うような冷たい声が耳に届いた。

「仮病が通用しないと分かって、今度は死んだふりか。セレステ、お前のやり口は相変わらず卑劣だな」

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