第137章

 リナはふと視線を上げ、瞳孔を収縮させたルシアンを見据えた。

「私は彼女のことを痛ましく思い、同時に尊敬もしていました。だからこそ病院を辞め、共同でクリニックを立ち上げ、助手として彼女を支える道を選んだのです」

 ルシアンの指先が、微かに震え始める。

 彼はゆっくりと手を伸ばし、一番上に置かれていたカルテを重々しい手つきで手に取った。

 そして、最初のページをめくる。

 【診察日】エミリーの死から一週間後。

 【診断結果】の欄には、こうはっきりと記されていた。PTSD(心的外傷後ストレス障害)。

『事件当日の悪夢を継続的に見ており、内容は高度に反復され、細部まで鮮明。覚醒時もフ...

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