第14章

「あっ……」

 セレステは痛みに短い悲鳴を上げ、彼に引っ張られてよろめいた。

 ルシアンはもう彼女を見ることも、他の誰を見ることもなく、まるで死んだ犬でも引きずるかのようにセレステを引いて、静まり返った人だかりを抜け、大股でドアの外へと向かった。

 セレステは足が地につかないほど強く引かれ、てのひらの傷口から絶え間なく溢れる鮮血が指先を伝い、彼女の背後に痛々しい血の痕跡を残していく。

 背後から、母親の冷酷な声が響いた。

「今後、私の誕生日には、二度とこの子を来させないでちょうだい」

 てのひらはひどく痛んだが、胸の痛みの万分の一にも満たない。

 前を歩く男の冷酷な背中を見つめ...

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