第146章

 セレステの耳にはもう、ルシアンの呼ぶ声など届いていなかった。

 その声は次第に金切り声へと変わり、身体を激しくよじって暴れ始める。

「エミリーは許してない! 許してくれてないのに! 私なんかが子供を産んでいいはずがない! だめ! 絶対にだめ!」

「セレステ!」

 ただならぬ気配を察し、ルシアンはとっさに手を伸ばした。

 だが、一歩遅かった。

 完全に錯乱したセレステは、勢いよく布団を跳ね除けると、裸足のままベッドから飛び降り、一直線に窓へと突進していく。

「エミリー、ごめんなさい! あんなこと考えるんじゃなかった! 私には資格がない! 自分の子供を持つ資格なんてないの!」

...

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