第159章

 画面に表示された名を見て、アントニオは思わず息を呑んだ。

 固く閉ざされた主寝室のドアをちらりと確認し、足音を殺して廊下の突き当たりまで離れてから、通話ボタンを押す。

「報告しろ」

『アントニオさん、見つけました! あの時、媚薬の手配と給仕のセッティングに関わったのは、チャールズというチンピラです。ニューヨークの闇市を縄張りに、違法薬物の密輸や裏風俗の斡旋なんかを専門にやってる奴でして。背後関係が入り組んでいて、具体的に誰の犬なのかは不明、黒幕を辿るのは至難の業です。それと……奴は確かに、奥様と接触していました』

 アントニオの心臓が、どくりと嫌な音を立てた。

 ――本当に、奥様...

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