第161章

 彼女は縁をつまみ、そっと引っ張り出した。

 緩衝材のペーパークッションの下からずるりと引きずり出されたのは、暗赤色をした一枚の『何か』だった。毛穴や微細な皮膚の質感までが、生々しく残っている。

 ——人間の皮だ。

 頭部があり、四肢の輪郭があり、顔の造作に至るまで完璧に保存されている。

 文字通り、完全な一枚の『人皮』だった。

「あああっ!!!」

 マーサは極限の恐怖に引きつった悲鳴を上げ、白目を剥いた。その身体は糸が切れたようにぐらりと後方へ傾き、絨毯の上にどさりと倒れ込んで完全に気を失う。

 一方のセレステは、その場に縫い止められたように硬直していた。

 頭の中は真っ白...

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