第175章

 足音を忍ばせ、セレステをふかふかのベッドにそっと寝かせる。

 蒼白くやつれ果てたその寝顔を見下ろしていると、心に冷たく重い鉛がのしかかってきた。

 彼女が当分目を覚まさないことを確認するまで、ルシアンはベッドの傍らに座り込み、ただ静かに時間をやり過ごした。

 やがて、重い腰を上げてゆっくりと立ち上がり、部屋を後にする。

 別荘の一階にあるリビングは、煌々と明かりが灯っていた。

 ソファに腰を下ろし、半ば放心したように押し黙る。

 しばらくして、ようやくポケットから煙草の箱を探り当てると、一本を取り出して火を点けた。

 紫煙が立ち昇る。だが、ニコチンはいつものように脳を麻痺させ...

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