第176章

 やがてゆっくりと手を上げ、自らの顔を覆った。

 その広い肩が、ついに抑えきれないほど激しく震え出す。

 あの夜を境に、ルシアンはまるで別人のようになった。

 医者に当たり散らすこともなくなり、セレステを治療する方法を問い詰めることもやめた。

 毎日、セレステの看病以外の時間はすべて、心理学に関する書物を読み漁ることに費やした。

 びっしりと書き込まれた専門用語や無機質な症例、治療法や使用可能な薬物――役に立ちそうな知識であれば、一字一句噛み砕くように読み込み、徹夜することもしばしばだった。

 書斎の明かりは、いつも夜明けまで点いたままだった。

 さらに、別荘の一室をヨガルーム...

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