第187章

 ルシアンはゆっくりと顔を上げ、老ヴィトーリに視線を向けた。

 老ヴィトーリは冷ややかな嘲笑を漏らすと、鋭い声を張り上げた。

「捕らえろ!」

 その号令とともに、周囲を固めていた護衛たちが一斉にルシアンへと襲いかかる。瞬く間に、彼ら二人の前後左右、あらゆる退路が完全に塞がれた。

 強烈な光の下、黒々とした銃口が冷たい光を放ち、一糸乱れぬ動きでルシアンに照準を合わせる。

 場に張り詰めた緊張感は極限に達し、まさに一触即発の事態となっていた。

 だが、包囲網の中央に立つルシアンは、老ヴィトーリの予想に反して微塵も狼狽を見せなかった。

 迫り来る護衛たちに一瞥もくれず、彼はゆっくりと...

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