第19章

 セレステは、自分がどれほど待ち続けていたのか覚えていなかった。

 ただ、最後に護衛の男が携帯電話を手に戻ってきたことだけは分かっていた。

 おそらくルシアンも、彼女を生かしておきたいと考えたのだろう。だから外界との連絡を禁じるのをやめたのだ。

 セレステは冷たい金属の感触を握りしめ、一つずつ数字を押し、リナの番号を打ち込んだ。

 やがて、受話器の奥から呼び出し音が聞こえてくる。

 五、六回鳴った後、電話がつながった。

「もしもし? セレステルシアンさんですか?」

 電話の向こうから、リナの不安げな声が響いた。

「……リナ、私よ」

 セレステは掠れた声で口を開いた。

 電...

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