第202章

「お前が良くなったら、結婚式をやり直そう」

ルシアンは、優しく語りかけた。

「お前は間違いなく、世界で一番美しい花嫁になる。赤が好きだったよな? 真っ赤な薔薇で、お前のために長いバージンロードを作ってやるよ、いいか? 教会の入り口から、俺たちの家までずっと……お前ならきっと、喜んでくれるよな?」

 三日目の夕暮れ時。

 潮風でも誤魔化しきれないほど濃密な死臭が漂い始め、一匹、また一匹とハエが飛び交うようになっていた。

 マークは、これ以上耐えられなかった。

 彼は医師と二人の護衛を連れ、部屋へと踏み込んだ。

 ルシアンの姿を目の当たりにした瞬間、全員が息を呑んで立ち尽くした。

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