第204章

 エミリーが見つかった。

 マークの報告によれば、島の反対側、断崖に近い岩穴の中で発見されたという。

 発見時、彼女は森の熟れきっていない木の実を食いつないでどうにか生き延びていたものの、長期間真水にありつけなかったせいで極度の脱水症状に陥り、すでに虫の息だったそうだ。

 それに――火災に巻き込まれたのか、顔の半分以上が焼け爛れていたという。

 ルシアンは静かに報告を聞いていた。その心は、淀んだ死水のように不気味なほど凪いでいた。

 予想されたような狂乱も怒髪天を衝くような怒りもなく、今すぐエミリーを引きずり出して問い詰めることもしない。いっそ異様なほど、些細な感情の揺れすら見せな...

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