第214章

 イザベラの胸の内に、ふと不吉な予感がよぎった。

 それに続き、遅ればせながら背筋の凍るような恐怖が押し寄せてくる。

 こんな時にルシアンがやって来たのなら、間違いなく自分の命を奪いに来たに決まっている。

「あ、あんた……どうやって入ってきたの?! 警備! 警備はどこ?!」

 イザベラは金切り声を上げた。

「護衛は?! 護衛は何をしているの!」

 だが、つい先ほど執事に下がらせたはずの護衛たちからの応答は皆無だった。ただ、数人の使用人たちがルシアンの背後からおずおずと顔を覗かせ、怯えきった表情でイザベラを見つめているだけだ。

 よく見れば、彼らの中には返り血を浴びている者までい...

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