第217章

「さあ、もう食べられるわよ」

 セレステはトレイを傍らの小さなダイニングテーブルに運び、彼に向かってそっと囁いた。

 そして自身のエプロンを外し、ルシアンの向かいに静かに腰を下ろした。

 ルシアンは深く息を吸い込み、スプーンを手に取る。澄んだスープをすくい、ふうふうと息を吹きかけてから口へと運んだ。

 それは単調なほどに素朴な味わいだった。ほんの少しの塩気とネギの香りが漂うだけ。それなのに、彼の舌先は微かに震え、熱いものが一気に目頭へと込み上げてくる。

 たまらず俯き、喉の奥からこみ上げる嗚咽を押し込めるように、彼はがむしゃらに料理を口に詰め込み始めた。

 その様子に、セレステは...

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