第22章

 いや、ルシアンが持ち去ったあのピンク色の表紙のやきだけじゃない。エミリーの他の遺品もだ!

 以前、母さんが言っていた。エミリーの遺品のいくつかを、ルシアンがこのアパートに保管していると!

 具体的な場所はわからない。ルシアンが彼女に教えるはずもなかった。

 でも、絶対にここにある!

 それはエミリーが存在した証であり、妹がこの世界に残した最後の痕跡。こんな盗まれたような、汚らわしい自分の命なんかより、何千万倍も尊いものなのだ!

 大火はすべてを飲み込み、エミリーの最後の欠片すらも綺麗さっぱり焼き尽くし、灰ひとつ残さないだろう!

 いやだ! それだけは絶対にだめ!

 その思考が...

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