第235章

「ヴィトリさん! お願いです! 解毒剤を……それか……いっそひと思いに殺してください! 俺たちが悪かったです! 本当に、間違ってました!」

 ルシアンの双眸が、ゆっくりと男の顔へ向けられる。

「もう音を上げたのか?」

 ルシアンは鼻で笑った。

「だが、ゲームはまだ始まったばかりだ」

 彼がわずかに手を挙げると、傍らに控えていた部下の一人が、犬用の鎖を手に進み出た。

「お前だ」

 ルシアンは葉巻の先で男を指し示す。

「気が利く男だったよな? ヴェロニカの指示通り、人間をふさわしい場所へ送り届けるのが得意だったはずだ」

「今、チャンスをやろう。あの時のセレステのように、這いつく...

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