第28章

 西区にある「旧迷宮の森」は、かつてある富豪が巨額の資金を投じて建造した植物迷宮のテーマパークであり、その内部構造の複雑さから史上最難関の迷宮として名を馳せていた。

 富豪の一族が没落して以来、遊園地は長年放置され、荒れ果てている。

 高くそびえる樹木の壁は異常なほどに成長して空を覆い隠し、絡みつく蔓や雑草、そして倒れ込んだ低木によって、かつての道は完全に埋もれて見る影もなくなっていた。

 本来の迷宮の難易度がさらに跳ね上がっているうえに、野獣が出没するという噂まである。

 後年、探検に入った者は一人残らず生きて戻れず、脱出するには専門の救助隊の力に頼るしかなかったという。中には救助...

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