第34章

 彼ははっきりと見た。セレステの肌に縦横無尽に走る、新旧入り交じった無数の傷跡を。

 かさぶたになりかけたばかりの擦り傷や切り傷もあれば、赤黒くひきつれた痕もある。火災の時に負った火傷は、範囲こそ広くはないものの、蒼白な肌に浮かび上がるその様はあまりにも痛々しい。

 だが、それ以上に……。

 濃淡の異なる古い傷跡が、そこかしこにびっしりと刻み込まれていた。

 しかもそれは、彼女の肩先を覆っているほんの一部に過ぎない。

 ルシアンはその傷痕を食い入るように見つめ、一瞬、頭の中が真っ白になった。

 彼女が傷を負っていることなど、当然知っていた。

 火災による火傷も、以前言い争った際...

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