第49章

 ついに、彼女がまたしても目玉焼きを皿から突き飛ばしそうになったとき、ルシアンは手にしていたナイフとフォークを置いた。

 彼は淡々とした口調で、ゆっくりと口を開く。

「どうした、セレステ。俺と同じテーブルで食事をするのが、そんなに苦痛か? 最低限のテーブルマナーすら忘れたのか? それとも……」

 その視線はエックス線のように、セレステの全身を舐め回す。

「ここ最近の療養生活が快適すぎて、また余計な知恵が働き出したか? よからぬことでも企んでいるんじゃないだろうな」

 セレステの身体が、びくっと強張った。

 違う、そんなことない! 何も企んでなどいない!

 ただ、怖いだけなのだ。...

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