第57章

 セレステは反射的に立ち上がろうとしたが、足首に走った激痛に思わず息を呑み、動作が半歩遅れた。

 ルシアンは彼女を待つことなく、すでにエントランスの方へと歩みを進めている。

 セレステは痛みをこらえ、慌てて立ち上がると、足を引きずりながらその後を追った。

 ルシアンが会おうとしている人物こそ、今夜の彼の最大のターゲット――ロレイングループのトップ、アンドレである。

 ルシアンは笑みを浮かべ、歩み寄った。

「ロレインさん、こんばんは。ようこそニューヨークへ」

 ルシアンは手を差し出し、相手と握手を交わした。

「ヴィトリさん、お会いできて光栄です」

 アンドレも微笑みながら握手に...

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