第59章

 三人連れ立って、商談用に用意された会場のラウンジへと足を踏み入れた。

 ルシアンとアンドレは早々に本題へと切り込む。以前から互いの素性は知れ渡っており、今回主眼となるのは今後の提携案についてだった。

 セレステはルシアンの斜め後ろに静かに腰掛け、耳を傾けていた。

 この分野に関しては全くの素人だが、今の彼女はただ彼に同伴する妻というだけでなく、アシスタントとしての役割も担っている。

 これらの話が将来自分に関わってくるかは定かではない。それでも厄介事を避けるため、彼女は自分にできる最善を尽くそうとしていた。

 時折細やかな気配りを見せ、ルシアンが脱いだジャケットを無言で畳んで傍ら...

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