第76章

 彼女は、自分が特別な商品として売り飛ばされるのだけは絶対に嫌だった!

 いっそ死んだほうがましだ!

 彼女はさらに必死に身もだえし始めた。縛られた手足の皮膚は擦り切れ、金属製の椅子も彼女が暴れるたびに床と擦れて、耳障りな音を立てる。

「うるせえな!」

 傷顔のリーダーが、いら立たしげに眉をひそめた。

「口を塞いで、椅子ごと運べ。気をつけろよ、これ以上傷をつけて売り物にならなくするな。場所を変えて少し手当てをしてから、適当な買い手が品定めに来るのを待つんだ」

「へい、兄貴!」

 次の瞬間、汗臭いぼろ布が乱暴にセレステの口にねじ込まれ、ただでさえ絞り出すのがやっとだった絶望のうめ...

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