第77章

 すぐにグラスを手に取り、コールマンに酒を勧めて急いで酔い潰し、それを口実に席を立とうとした。

 だが、コールマンは腕に抱いていた女を押し退け、口元を拭うと、下卑た笑みを浮かべてダニエルの肩を叩いた。

「そう急ぐな、ドクター。今のなどただの前座にすぎん。本当のショーは、これから始まるんだ!」

 その言葉と同時に、フロアに響いていた音楽がぴたりと止んだ。

 照明が一気に落ち、舞台の中央だけを青白い一筋のスポットライトが照らし出す。続いて、舞台袖の待機エリアから耳障りな金属の摩擦音が響いてきた。

 ダニエルは無意識にまたうつむこうとしたが、視界の端に舞台へと押し出されてきたものが映り、...

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