第101章

菊地杏奈は、彼らが何に迷っているのかをよく分かっていた。だが、そんなものに影響されることはない。相変わらず自分のペースを崩さず、毎朝きっかり葉山グループに顔を出し、葉山陸斗の定期的な診察を行う。時間どおりにリハビリへ取り組むよう促し、その日のデータを見ながら食事内容も細かく調整した。

午後になれば研究室へ戻り、集まったデータとひたすら向き合う。何度も読み返し、考え抜き、頭がくらくらしてきたら今度は実技だ。作業台に立って手を動かし、次に控えている人工心臓移植手術に備える。

菊地杏奈には確信があった。

菊地美波は、国内で初めて人工心臓を装着する患者になる。

それは自分の腕に過剰な自信があ...

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