第15章

大野友菜はそれ以上問い詰めなかった。ただ、そっと腕を伸ばして杏奈を抱きしめる。

杏奈は名残惜しそうに息を吸い込み、やがてその腕の中から身を離した。スマホを取り出し、葉山陸斗へメッセージを送る。明日の朝9時、市役所で。

少しだけ迷ってから、離婚の手続きに必要な持ち物リストも、まとめて一気に送信した。

会議を終えてオフィスへ戻った葉山陸斗は、スマホに届いている重要メッセージを順番に処理していく。すべて返信し終えたところで、ようやく杏奈のトークに赤い通知がついているのが目に入った。

不機嫌そうにタップする。内容を確認すると、そのまま家の執事へ転送し、書類の準備を命じた。スマホを机に放って仕...

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