第18章

菊地家と葉山家に対する包囲網は着実に狭まりつつあった。だが、杏奈の先輩である田辺翔太は、教授の采配でひと足先に帝京市へ入っていた。

帝京市に住んでいる後輩は杏奈ひとり。彼女は自分から空港への出迎えを買って出た。

休みを取り、早めに空港へ着く。ターミナルビルの外でつま先立ちになって人の流れを追いながら、胸の奥がそわそわした。

結婚してから、彼と連絡を取ることはめっきり減った。顔を合わせるのも、もちろんない。

教授の前で表立って決裂したわけではない。けれど、あの一件が「気持ちのいい別れ」だったとは言いがたい。急に会うとなれば、どうしたって緊張する。

杏奈が怖いのは、先輩に責められること...

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