第20章

杏奈は、お守りの件で、菊地健二に丸二日だけ静けさを与えてやった。

そのせいで菊地健二は、工場を少しでも延命させる時間を捻り出すために、桜井晴子の遺品をあちこち探し回らざるを得なくなった。

一方でこの数日、菊地美波はというと、葉山陸斗にべったり甘えて、菊地家の窮地をどうにかしてくれと泣きついていた。

葉山陸斗も最初は余裕がなかったが、彼女のしつこい口説きに根負けし、結局、菊地家へ1,000万を流し込んだ。

入金の通知が届いたその瞬間、菊地美波は杏奈に、これみよがしのメッセージを投げつけてきた。

杏奈の必死の抵抗なんて、全部ムダだったと言わんばかりに。

杏奈はとっくに菊地美波の通知を...

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