第22章

杏奈は愕然と顔を上げ、両手が感電したみたいに紙袋を放してしまった。

袋はテーブルに落ち、どん、と鈍い音がした。

「これ、私には受け取れません。葉山陸斗はこの先、ちゃんとお嫁さんをもらうんです。おばあちゃんの遺したものは、葉山家の本当の孫嫁に渡すべきです」

葉山爺さんは紙袋をさらに押し出す。

「何をぐだぐだ言ってる。おまえに渡さずに、1階のあいつに渡せってのか?」

声が一気に刺々しくなる。

「菊地家のあの手のゴタゴタ、世間が何も知らねえとでも思ってんのか。

それにな、これは俺が“おまえに”やるもんだ。葉山家がどうこうじゃねえ。どうしても気が引けるってんなら……植物状態の人間を立て...

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