第26章

「皆さま、こんばんは。本日は急な記者会見となりましたが、理由はすでにご存じでしょう。皆さまのお時間も貴重ですので、まず私のほうから事実関係を明確にし、そのうえで十分にご質問の時間をお取りします」

マイク越しに届く杏奈の声には、動揺の欠片もなかった。

葉山陸斗は二歩ほど前へ進み、そっと幕を引いて、壇上に座る人物を盗み見る。

落ち着き払った表情。午後に人へ物を投げつけて暴れていた、あの狂った女とは別人だ。

舞台袖に立つ大野友菜がこちらの視線に気づき、警備員へ目配せする。屈強な警備員が素早く寄り、二人の周囲を固めた。

杏奈は場を整える言葉を言い終えると、舞台の端へと移動した。

「それで...

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