第27章

それは菊地杏奈の復讐なんかじゃない。流れに身を任せただけだ。

葉山陸斗であれ、菊地家であれ――向こうがちょっかいを出してこない限り、杏奈は見ないふりをして、聞かないふりをしていられた。

けれど今となっては、ただの自業自得だろう。

大野友菜は、菊地杏奈の笑顔と一緒に差し出された牛乳を見て、ぽつりと言った。

「これからは、苦労しなくていいよ」

菊地杏奈は一瞬きょとんとして、それから黙って受け取り、喉を鳴らして飲んだ。

「葉山グループ、今回は相当ふんだくられるよね。菊地美波って、また逃げると思う?」

友菜は湿っぽい空気が苦手だ。すぐに話題を切り替えてくる。

杏奈は牛乳を置き、無表情...

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