第30章

「容疑者の菊地美波は保釈されていますが、いまもこちらで監視下に置いています。司法手続きに移り、法廷で争うとなれば、こちらは再逮捕を実施します」

菊地杏奈は時間を確認した。

「弁護士に一度相談したいんです。遅くとも明日のこの時間までに返事を出します。それでいいですか?」

筋の通った申し出はすぐに了承され、菊地杏奈は期限を葉山陸斗と菊地美波の双方へ送った。

一連の連絡を終えると、杏奈はスマホを放り投げ、どさっとソファに身を沈めて両腕を大きく広げた。

「友菜。暇を見て工場の候補地、見に行って。秋はたぶん間に合わないけど、冬には自社ラインを動かせるはず。要求がどれだけ増えても、もう外注先の...

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