第39章

菊地美波は長いこと箱入りのお嬢様で通してきた。だから悪いことをしても後始末ができない。自分では気づきもしないまま、「証拠」を得意げに残してしまう。

菊地杏奈は時間をかけ、金もかけた。探偵からすぐに、美波の過去が洗いざらい上がってくる。

その中から「離婚」を前に進める材料だけを抜き出し、動画にまとめた。あとは、新製品発表会の当日を待つだけ。

そして――その日が来た。

事前に情報を嗅ぎつけたニュースメディアと、流行に敏い連中が会場の外をびっしり埋め尽くしていた。だが、誰も軽々しく入口を選べない。

左には葉山グループのボード。右にはオーロラアトリエ。

両者とも入口に大量の花を飾り、サイ...

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