第41章

しばらくして、菊地杏奈はようやく気持ちを落ち着かせ、スマホを手に取って葉山陸斗へ釘を刺すメッセージを送った。

今日の一件で、葉山陸斗の生活はぐちゃぐちゃになるだろう。だが同時に、離婚への覚悟を固めさせることもできる。土壇場で申請を取り下げられでもしたら――それこそ杏奈にとって目も当てられない損になる。

送信を終え、スマホを放り投げようとしたその時。ぶるる、と震えた。表示されたのは葉山陸斗からの着信。

杏奈は迷いなく通話を繋ぐ。

「菊地杏奈。今日のあれ……おまえがやったのか?」

受話口から飛んできた声は、怒りを押し殺した低さだった。水を越え山を越え追ってきたみたいな、刺すような殺気ま...

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