第50章

「葉山社長。葉山グループのニュース、最近ずいぶん騒がしいですね。海外にいるうちの教授の耳にも入っていますよ。ご存じでしょうが、私たち学者は評判が命です。一度でも妙なレッテルを貼られれば、半生かけた研究が水の泡になりかねない」

葉山陸斗は言葉に詰まった。

田辺翔太の言外の牽制を察し、これ以上は踏み込まない。今日は改めて、また時間のあるときに食事でも――そう告げるだけにとどめた。

望んだ答えは得られず、陸斗は踵を返す。すると背後から、田辺翔太が不意に呼び止めた。

「葉山社長。せっかく来られたんですし、研究室の最新の進捗でも見ていかれます?」

田辺翔太は廊下の窓に正面を向けたまま、窓際の...

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