第51章

クリスタルのペンダントは、たしかに大して値の張るものじゃない。何度か競りが落ち着いた頃には、残っている声は菊地杏奈と彩子、それから――どこか聞き覚えのある、もうひとりだけになっていた。

杏奈は反射的にその声の方へ目をやり、ほとんど同時に葉山陸斗だと気づく。

葉山陸斗がクリスタルのペンダントの「杏奈にとっての価値」まで知っているとは思えない。こんなことをするのは、ただの気まぐれ。そうに決まっていた。

それなのに、元の価値が2万にも満たないはずの品が、いつの間にか百万に届きそうな勢いで吊り上がっていく。

杏奈は迷わず手を引いた。

葉山陸斗もすぐに動きを止め、結局、彩子が123万で落札し...

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