第53章

菊地杏奈は、大野友菜が信じていないうえに証拠も出せないと悟り、ひとまず引き下がるしかなかった。

「田辺先輩が場所を送ってくれたら、その時に教えてあげる。そこで見たら、あなたももう言い逃れできないでしょ」

大野友菜は体をゆらゆら揺らし、顔いっぱいに得意げな笑みを浮かべた。

「いいよ。実験しかしてない先輩たちが、どうやって休むのか見せてもらおうじゃん」

二人で夜食を食べ、少し騒いで、最後はそれぞれ布団にくるまって眠りに落ちた。

翌朝。

腕を組んで会社へ向かう二人の姿は、数年前――大野友菜が海外まで菊地杏奈に会いに行き、二人で浮かれて街を歩き回った、あの頃とそっくりだった。

だからだ...

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